2015年9月6日日曜日

タシケントの美味しいものを、独断と偏見で紹介

「旧ソ連の三大美食都市」といえば、
ウクライナのキエフ、グルジア(ジョージア)のトビリシ、そしてウズベキスタンのタシケント——

筆者自身はどこも行ったことがあるが、それぞれ味付けなどが異なっているので一概に「ここが一番美味しい」と断言することはできない。が、個人的にはタシケントに1年間暮らしていたので、今でもウズベキスタンで食べたものが恋しくて寝付けなくなることがあるし、記憶にも鮮明に残っている。

日本に帰ってきてから、タシケント時代に食べたほどたくさんの美味しい苺にありつけていない
タシケントの苺は、美味しい

タシケントは美味しい。
もちろんブハラやサマルカンド、ヒヴァといった観光都市が取り上げられることが多いが、タシケントは首都ゆえに洋の東西を問わずあらゆる食事が集まっており、食の都としての魅力は十分だ。ちなみにタシケントの見所はこちらから
今日は筆者が帰国した今も「恋しくて寝付けなくなる」ほどに美味しいと思ったものを紹介していく。

タシケントではウズベク料理はもちろんのこと、あらゆる民族の料理を食すことができる。民族あるところに料理あり—— 当然ながら、ロシア料理やタタール料理、韓国料理やトルコ料理などなど、多民族都市であるがゆえに"多食文化都市"でもある。


1. 市内唯一のタタール料理店「イルミーラ」の肉料理!
イルミーラにはよく通ったものだが、肉料理なら何でも美味しい。

筆者はタタール研究をしているので、これはかなり独断と偏見の選択である。
けれども、タタール料理はウズベク料理ほど油っぽくなく、且つオリエンタリズムを感じさせるものが多く、日本人の舌にも合うに違いない。

だが、現在タシケント市内にタタール料理店は一店舗のみ。イルミーラ(Ильмира)というこの店は典型的なタタール人女性の名前であるが、何よりも肉料理が美味しい上に、価格がとにかく安いのでオススメだ。
個人的には肉料理のほかに、チェブレキ(Чебуреки)タタール風サラダ(Салат по-татарски)もオススメできる。
 →MAP MEMO【タタール料理】ILMIRA



2. 日本大使館近くのカフェ・スンドゥクのカツレツ
外観はウズベキスタンを感じさせないほどオシャレ。吉祥寺にありそう。

日本大使館の周辺には食事処がそれなりにあり、中でもカフェ「スンドゥク (Сундук)」はオシャレ度が高く、現地のオシャレな若者や在留邦人にも人気がある。
宝箱の意味を持つ店名から想像できるとおり、店内は細かな装飾がされていて心なしかワクワクするが、料理も宝箱から取り出したように美味しいものが多い。

筆者はポーランド風カツレツが大好きだった。2014年当時、これで10,000スム(300円程度)d

個人的には写真でも紹介している、ポーランド風カツレツ(Котлет по-польски)がオススメだ。ボリュームがあり、見ても食べても幸せな気分になれる。
 →MAP MEMO【カフェ】Сундук



3. チェーン店「カフェ・ブハラ」のギジュドゥバン風サモサ
普通のスタンドのサモサよりもちょっと大きめなのがポイント。肉汁じゅわ〜!

留学中は毎日サモサを食べて、居住地の半径5km以内のサモサは全部食べたと自負する筆者が「これが一番美味しかった!」と強い自信とともにオススメできるのが、カフェ・ブハラ(Buxoro kafesi)ギジュドゥバン風サモサ(Самса по-гиждувански)である。

スタンドで800スム程度で売っているサモサよりも大きく、大人の手のひらサイズはあろうかという大きさ。一口・・じゅわっと肉汁が広がるとともに、芳醇な肉と新鮮な玉ねぎの香りが鼻を通り抜けてゆく。
カフェ・ブハラはチェーン系列のカフェで、タシケント市内に複数店舗がある。
 →MAP MEMO【ウズベク料理】Cafe Buxoro



4. 日本大使館近くのカフェ・スタジオのプロフ (木曜日)
木曜日のビジネスランチはプロフ。もちろん、ふかふかのノン付き!

木曜日はプロフの日 (Payshanba kuni - osh kuni)と言われており、タシケント市内のカフェやレストランでは木曜日になるとプロフを作る店舗が多い。たとえどんなにオシャレなカフェであっても、その日に限っては店内に脂の香りが充満するので、入店前に「カツレツを食べたい」と思っていようが、問答無用でプロフが食べたい病に罹る。

カフェ・スタジオの外観。先ほど紹介したスンドゥクの向かい、日本大使館の真向かいにある。

個人的には、これまた日本大使館の真向かいにあるカフェ・スタジオ (Cafe Studio)プロフ(Плов)が食べやすくてオススメだ。もちろん、プロフセンターや街中の安食堂のプロフも大いにオススメしたいのだが、「ちょっとした贅沢気分を味わいながらもプロフ」という何とも言えない体験はそんなに多くの人はしないだろう。
カフェ・スタジオのプロフは癖がなく、脂もひかえめ。お腹が弱い人にもオススメできる。
 →MAP MEMO【カフェ】Studio Cafe



5. アフソナのノンは単体で何枚も食べられる美味しさ!
店内もモダンなウズベク・デザイン。青タイルを施したタンドゥルや壁など、意外な見所?

オイベック駅の近くに「アフソナ (Афсона)」という、モダンなウズベク料理レストランがある。ここはオシャレな若者たちはもちろん、在留邦人にも人気がある。在留邦人がゲストを接待する際にも使える、オシャレウズベク料理レストランだ。
数あるウズベク料理の中で、個人的にはバイラム・プロフ(Праздничный плов)焼きラグマン(Жареный лагман)サモサ(Самса)は何度食べても飽きないし、実際留学中は何度も世話になった。


何も言わない、食べれば分かるって!

そんな中でも「これは絶対に食べなきゃ!」とオススメしたくなるのは、パティル(патыр)と呼ばれるノン(伝統的な丸形パン)である。必ず焼きたてを持って来てくれるので、温かいうちにちぎって食べるのが吉。風味が甘く、気付いたらメインディッシュが来る前に頼んでしまう。
 →MAP MEMO【ウズベク料理】Afsona


6. ちょっと奮発!遊牧民の移動住居ユルタの中で味わうキルギス料理!
外から見ても大きなユルタだが、入ってみるともっと大きく感じる。

オイベック駅から歩いて5分ほど、少し小さな路地を入ったところに突如として現れる遊牧民の伝統的な移動住居ユルタ。キルギス料理店「マナス (Манас)」は市内でも最も有名な店のひとつで、在留邦人が日本から来たゲストを接待する際にも頻繁に使われる。
ユルタの中は見た目以上に広く、細かな装飾に凝っている。まるで別世界に来たような錯覚に陥るこの店だが、料理もウズベク料理とはまた違い、気持ちだけキルギスにトリップできる空間だ。


これが噂のベシュバルマック!肉が何とも、たまらな〜〜い!

何といってもベシュバルマック(Бешбармак)がオススメ。五本指という意味のこの料理は、本来は手づかみで食べるが、もちろんフォークで食べても問題ない。
ウズベクやタジクがプロフなら、カザフやキルギスはベシュバルマックと言われている。ウズベク料理のナリンに似ているが、このゴロゴロとした肉と、もちもちとした太麺は、一度は口にしてみることを勧めたい。
 →MAP MEMO【クルグズ料理】Manas



7. 旧ソ連に来たならロシア料理?カフェ・ベリョースカのつぼ焼きは超美味!
いかにもロシアな雰囲気だけど、中々ポップで素敵でしょ?

かつてソ連を構成する一共和国だったウズベキスタンでは、当然ながら今でもロシア料理は愛されているし、街中にもロシア料理店はいくつか点在している。
タシケントにはロシアのオシャレなロシア料理チェーン店であるヨールキ・パールキもあるが、個人的にはそこから数百メートル歩いたところにある「ベリョースカ(Берёзка)」という店がオススメだ。店内に入ると気の置けない家庭的な、けれどもオシャレなロシア的な空間が広がる。少々愛想のない店員も、何だかロシア的でむしろ好感さえもつ。


中身は肉じゃがみたいな味で、日本人にはウケること間違いなし!
個人的にはキノコのつぼ焼き(Горшок с грибами)がオススメだ。ロシアのつぼ焼きと聞いてイメージするつぼ焼きとはまた少々違った見た目をしているが、中身は味の濃い肉じゃがのような味付けで体に沁みる。
 →MAP MEMO【ロシア料理】Берёзка



8. 留学中はお世話になりました!安い巻き"スシ"と、安い箱入り"ウドン"
合計で18,000スムくらいだった。安さと手軽さから学生などの若い世代に大人気。

筆者の留学も残り僅か数ヶ月、という頃に住んでいたクバルの目の前にできたのがWOKという謎のアジア料理店。箱入りウドンといった、箱に入ったアジア風料理を売りにしている店で、近年ロシアでも流行っているらしい。

麺の種類や味、トッピングは自分で選ぶことができて、テリヤキや中華風など、バリエーションは様々だ。個人的には「うどん + テリヤキソース + 牛肉2倍 + 野菜」という組み合わせが好きだった。あまりに通いすぎて、最後のほうは店員は私の顔を見ただけで上記の組み合わせを用意してくれるようになったくらいだ。

見た目はこんな感じで結構ポップ。目立ちます。

他店ではまだまだ高い巻き寿司も、この店では安い。長らく魚に飢えた身にとって、サーモン巻き寿司は他にないご馳走だった。醤油は甘く、ワサビはツンとしないので好き嫌いが分かれそうだが、これはこれで結構いける。
 →MAP MEMO【ファストフード】WOK



9. ユーラシアご飯には疲れた?そんなあなたには、トンカス(トンカツ)がある!
見た目はトンカツにそっくりですが、厚さが違います。でも美味しいよ!

魚もない、豚肉は高い・・・タシケントの日本人留学生は基本的には「羊と牛と小麦と茶」という質素な食生活になりがちで、月に一度は「ああ、魚が食べたい・・・豚肉が食べたい・・・」という衝動に駆られることだろう。
何事も無理はよくない。そんな時には、日本人の心強い味方である韓国料理店に駆け込むべきである。ウズベキスタンは歴史的に朝鮮系が多く、街中にも韓国料理店が多数点在している。

高句麗の店内。なかなかオシャレで落ち着いている。客はそんなに多くないが、たまに貸切のことも。

数ある韓国料理店の中でも、個人的には「高句麗(го-гу-рё)」が好きだった。筆者自身は魚があまり好きではなかったので、豚肉に飢えた。そこで、韓国料理店に行くと必ず世話になったのが、トンカツならぬ、「トンカス」である。おそらく日本料理から韓国料理に入り、ツの発音のない韓国語ではトンカスとなったのだろう。

トンカスは日本のトンカツほど厚みがなく、ソースはデミグラスソースとケチャップを混ぜたものが乗せられる。厚みに関しては日本人には少々物足りないかもしれないが、この高句麗のトンカスは「ちょっと薄い?でも美味しい」と思えるものなので、オススメできる。
 →MAP MEMO【韓国料理】高句麗



10. 何だかんだ言って新鮮なものが美味しい!バザールの果物
留学中は一度に3kg程度買っていて、バスやメトロに乗って持って帰るのが大変だった。

さて、ここまで色々なものを紹介してきたが、それぞれの共通事項は何だろう。そう、脂っぽいという点である。
もちろんウズベキスタンでは、料理が脂っぽいために食前・食中・食後のお茶は欠かせない。脂を一気にお茶やビール、コーラで流し込んだ時の爽快感といったら言葉に言い表せないほどのものだ。

筆者はよく周りのウズベク人に聞いていた。「タシケントで一番美味しいものって、何?」と。すると、多くはこう即答してくれる。「バザールの果物でしょ」
タシケントは果物王国でもある。周辺諸国からはもちろんだが、国内でもあらゆる果物が育てられている。強烈な日差しを浴びて育った果物は、大きくて安くて美味いの三拍子が揃う。
日本にいるとあまり意識することはないが、季節ごとの旬がはっきりとするのも特徴だ。例えば、4月から5月ならイチゴ、その次にサクランボなど。夏場にはフルーツトマトがとても美味しくて、どれもキロ単位で買っては、一日のうちに平らげてしまう。

春先にはバザールも色とりどりのフルーツで華やかになる。

こうした果物はどのバザールに行っても安価で手に入れることができる。たくさん買えば買うほど安くなる。


以上が筆者のタシケントのオススメ美味スポットである。ちなみに、場所に関しては留学中に仕上げた「美味いものマップ」を参考までに。
なお、直リンクはこちらから。それぞれの紹介のあとに、【ロシア料理】Берёзкаのようにメモがあるので、それを元にリストから探していただければ簡単に見つかるはず。



ちょうどウズベキスタンも観光シーズン真っ只中となった。
多くの観光客はブハラ・サマルカンド・ヒヴァに向かうはずだが、避けて通れないのは首都タシケント。観光名所は少ないが、美味しいものはたくさんある。ぜひ試してみてほしい。



ウズベキスタンにはまだまだ無料のwi-fiは少ない。
タシケントを歩いている時にレストランの場所をスマホで探したいなら、日本出発前にポケットwi-fiをレンタルしていくのがオススメである。筆者のオススメはウズベキスタンでも利用できる「イモトのwi-fi」!



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