2016年12月24日土曜日

ウズベキスタンのバザールの歩き方:基本から値切り交渉のイロハまで

「ウズベキスタンの詳細な留学情報が少ない」
「それなら現在進行形で留学に行こうとしている私が発信しよう」
「もしかすると誰かの役に立つかもしれない」

そう思い、留学に発つ直前の2013年2月に軽い気持ちで開設した当ブログ。
気がつけば4年近くの歳月が流れ、細く長く続けてきた当ブログは10万ヒットの大台に乗ることができた。
この4年近くのあいだに、ブログのおかげでウズベキスタン留学を志す同世代との出会いはもちろん、中央アジアに興味を持つ多くの人と出会う機会にも恵まれた。
多くの読者の皆さんがあって、今日まで執筆を続けることができたとも言える。
感謝の気持ちを示すとともに、今後とも細く長く書き続けていきたい。

チョルスー・バザールに並んでそびえ立つクカルダシュ・マドラサ


当ブログで今日まで書いてきた記事の多くは、「地●の●き方」に載っていなさそうなニッチな内容が中心となっている。

裏を返せば「基本的な情報が少ない」ことが当ブログの弱点として挙げられる。
しかし、基本的な情報は「地●の●き方」を読めばいいだけの話なので、当ブログは今後とも他が扱わなそうなニッチな話題を取り上げていく。


ウズベキスタンといえば、バザールである。
バザールとは、イスラーム世界で一般的な「市場」のことで、様々なものがあらゆる値段で売られる場である。
バザールには定価がなく、売り手と買い手の間での価格交渉が基本とされている。ゆえに、こうした習慣を持たない日本人観光客の多くが餌食となる場でもある

タシケント市民の台所、チョルスー・バザールは青い大きなドームが目印

ウズベキスタンでは人の暮らす場所には必ずバザールがある。
観光都市であっても、そうでなくても、まとまったコミュニティがあれば大なり小なりバザールが存在する。
観光資源に乏しいと言われる首都タシケントだが、ここは今と昔が交差する大きな都市。ウズベキスタン最大規模とされるチョルスー・バザール(Chorsu bozori)が鎮座する。

今回は、バザールでの買い物の基本と応用をご紹介したい。本記事の最後では、実践的なウズベク語も紹介する。


1. バザールには何があるか
「市民の台所」たるバザールには、当然ながら食料品を販売する店舗が非常に多い。
しかし、食料品店街の横には地元の人々が利用する安食堂がある。
そのほかにも、衣料品や日用品、土産物や家畜まで、現代の人間生活に必要そうなものであればなんでも揃えることができる。
ウズベキスタンでは違法とされているため、あまり大きな声で勧めることはできないが、バザールで闇両替をすることも可能である。ただし、あくまで違法なのでご利用は自己責任で。

バザールには季節の果物が並ぶ。試食は気軽にできる。
ちなみにこの積み方(通称ウズ積み)は果物の痛みが早くなるにもかかわらず、美しく見えるので人気だ。


2. タシケントにはどんなバザールがあるのか
サマルカンドやブハラ、ヒヴァと比べて「退屈な街」だと汚名を着せられることの多い首都タシケントは、実は様々なバザールが存在する退屈しない街である。
タシケント市内で、特徴ある代表的なバザールは以下のとおり。
なお、バザール名をクリックすると、グーグルマップに場所が表示される。


前述のとおり、ウズベキスタン最大規模を誇る非常に大きなバザールである。
旧市街にあるものの、バザール敷地内にメトロ駅が設置されているため、タシケントの中でも最もアクセスがしやすいバザールのひとつ。観光におすすめ。詳細は前述のとおり。


ミラバッド・バザール(Mirobod bozori)
別名ゴスピタル・バザールとも呼ばれるこの市場は、いわゆる朝鮮系の人々が営む店舗が多いことが特徴として挙げられる。バザールの敷地外には朝鮮料理店、朝鮮料理食材店が軒を連ねており、日本人にもおなじみのキムチや豆腐も安価に売られている。
食材店には韓国直輸入の菓子なども売られており、日本のものと味が近いことから在留邦人にも人気だ。
ミラバッド・バザールの外に立つ大きな門

電化製品が中心のバザールだが、周辺には衣料品店なども軒を連ねる。
タシケントに長期滞在を予定する在留邦人は、滞在初期に必ずと言っていいほど携帯電話を購入する目的で「ウズベク人に連れて行かれる」場所でもある。
なお、販売される製品のほとんどは韓国製。日本製品に対する漠然とした信頼感や憧れの声もちらほらと聞かれるが、安くてスタイリッシュな韓国製はその何倍も人気がある。


タシケントの新市街に位置するアライ・バザールは、そのほかのバザールに比べるといくらか洗練された場所ともいえる。
市中心部のアミール・ティムール広場から徒歩で行くことができ、近くには外国人向けの大型宿泊施設もあることから、全体的な商品の価格は高めに設定されている。
ゆえに「ちょうどいい」土産物を売る店も多い。外国人観光客向けに、マグネットなどの小物系で質の良い土産の取り揃えは多い。

アライ・バザール。2013年の夏に撮影したものだが、その後改築したと聞く。


まず普通の観光客が行く場所ではないが、タシケントの果て(ほとんどタシケント州)に位置する衣料品中心の巨大なバザール。
日常的に着る服や民族衣装、婚礼の衣装から学校の制服まで、ありとあらゆる「ウズベキスタンの人々が一生で着る服」を取り揃えている。ちなみにトルコ製の衣料品は質が良いとされ、割と高値で販売されている。(男子学生のあいだでは、トルコ製のスーツを着ることがある種のステイタスであった)


週末だけの蚤の市で、タシケントじゅうのガラクタを集めたような超カオスなバザール。
前述のバザールで販売されているような一般的なものは少なく、むしろソ連製の食器や車の部品、古い携帯電話や絨毯、年代物のスザニや、動物などなど・・・タシケントのバザールの多くが整備されていくなかで、ここだけは昔ながらのカオスな活気や熱気が残る。
筆者としては一番オススメのバザールだが、外国人はとにかく目立つのでスリなどの対策をしておく必要はある。


バザールではウズベク料理に欠かせないノン(丸いパン)もたくさん売られている

3. バザールで物を買う
バザールという単語は、ペルシア語以前のことばで「価格が決まる場所」という意味をもつ単語からきたと聞いたことがある。真偽のほどは置いておくとして、この「価格が決まる場所」というのは実に正しい形容である。そう、バザールには定価がない。
ゆえに、売り手と買い手が直接価格交渉をして、商品の価格が決まる。
バザールでの価格交渉の基本的な流れは以下のとおりである。

  • 1) 基本的には買い手がまず「これいくら?」と尋ね、売り手は自分に利益が出る値段よりも高い値段を告げる。(その値段に納得すれば買ってもいい)
  • 2) 買い手がその価格に納得しなければ、その理由を告げるとともに「いくらなら買う」と売り手に宣言する。(売り手がそこで納得することもある)
  • 3) 売り手は最初に告げた値段よりも若干値段を下げる。(その値段に納得すれば買ってもいい)
  • 4) その値段よりも下がらないようであれば、魔法のことば「ほかの店に行く」と告げる。
  • 5) 基本的にはそこで値段が下がるが、下がらない場合もある(その場合は他の売り場へ)

しかし、バザールで肝心なのは「自分が納得できる価格かどうか」である。
バザールでは値切り交渉もアトラクションとなるが、売り手も明日の暮らしがかかっている。多少相場よりも高いとしても、その商品に見合った価格になったと思ったら買ってもよい。それは決して恥ではない。
なお、売り手が想定した以上に高い価格で買い手が購入した場合は、基本的には何かのオマケをつけてくれる。そうした小物が案外「忘れられない思い出の品」になったりするのである。

筆者がもらった「オマケ」
言い値で買ってもいいと思えるほど素敵な土産を値切らずに買ったら、
売り子が「申し訳ないから持って行って」とこのオジサンをくれた。


4. バザールのことば
バザールでは英語は通じない。もちろん日本語も通じない。ロシア語も怪しいときがある。そんなバザールの共通言語は、基本的にはウズベク語(地域によってはタジク語)である。
外国人観光客相手に土産物を売る店では英語が通じることもあるが、当然ながら英語を使った時点で足元を見られてしまう。ブロークンでもいいので、バザールの売り子たちが話すウズベク語やロシア語を頑張って駆使して買い物するのがオススメだ。


5. バザールの数字(ウズベキスタン)
インフレが進むウズベキスタンでは、日常の買い物や食事でさえ基本的には5桁から7桁の価格になってしまう。さすがに現地の人々もそれでは不便なので、価格を口頭で述べる際には「下3桁切り捨て」になることが多い。
 例)4,000(to'rt ming:トルト・ミン) →「4」(to'rt:トルト)

ウズベク語の数字とその発音
0
nol ノーリ (ロシア語のнольより)
1
bir ビル
2
ikki イッキ
3
uch ウチュ
4
to’rt トゥルト
5
besh ベシュ
6
olti オルティ
7
yetti イェッティ
8
sakkiz サックィズ
9
to’qqiz トックィズ
10
o’n オン
11
o’n bir オン・ビル101
20
yigirma イーギルマ
22
yigirma ikki イーギルマ・イッキ202
30
o’ttiz オットィズ
40
qirq クィルク
50
ellik エッリク
60
oltmish オルトムシュ
70
yetmish イェトムシュ
80
sakson サクソン
90
to’qson トクソン
100
yuz (bir yuz) ユズ(ビル・ユズ)
200
ikki yuz イッキ・ユズ2100
1,000
ming (bir ming) ミン(ビル・ミン)
2,000
ikki ming イッキ・ミン21000
10,000
o’n ming オン・ミン101000
100,000
yuz ming (bir yuz ming) ユズ・ミン(ビル・ユズ・ミン)
1001000)
1,000,000
million ミリオン
1,000,000,000
milliard ミリアルド



6. 役に立つことば
バザールでの価格交渉のやりとりで役に立つ、魔法の3フレーズは以下のとおりである。

 1)「うわぁ、高いよ」(Ux, qimmat-ku!:ウーフ、クィンマット・クー)
 2)「もっと安くしてよ」(Arzonroq qiling!:アルゾンロック・キリン)
 3)「ほかで買うよ」(Boshqa joydan olaman!:ボシュカ・ジョイダン・オラマン)

段階に応じて使い分けるといい。
売り手が提示した値段が高いと感じたら「高いよ」、次に提示した値段でも高いと思ったら「もっと安くして」、思ったような値段にならなければ「ほかをあたる」といった感じに。

そのほかに覚えておくといいフレーズは以下のとおり。
・「いくら?」(Necha pul turadi?:ネチュプル・トゥラディ?)
・「わかった、買おう」(Bo'ladi, sotib olaman:ボラディ、ソティプ・オラマン)
・「それじゃだめだ」(Yo'q, bo'lmaydi:ヨック、ボルマイディ)
・「めっちゃ高い」(Juda qimmat!:ジュダ・クィンマット)

基本挨拶などは「必修ウズベク語」「ウズベク語の挨拶」を参照されたい。


7. 超実践:バザールの会話(玄人向け)
この部分は、とりわけウズベキスタンに留学している・予定している読者の皆さんを想定したものである。
年単位の留学になると、「いつも行く場所」ができる。バザールにも「お決まりの店」ができるはずだ。ここまでくると、バザールの売り子とあなたは既に「他人」ではない。少なくともウズベキスタンの人々は「他人」と「身内」の垣根が非常に低いので、身内とみなす可能性が高い。

そうなると、バザールに買い物にいったときに、「ちょっとあんた、少しのあいだ店番をしていてくれないか」と言われることもあるかもしれない。(筆者は実際に何度かそうした経験があった)
ゆえに、買い手側の値切り文句のみならず、売り手側の売り文句も覚えておくとよい。
神の思し召しあらば(xudo xohlasa)、役に立つ日がくるかもしれない。

チョルスー・バザールの「新学期バザール」のようす。
(sputniknews-uz.comより)

ここでは、バザールでありそうな売り手と買い手の会話とその訳を書いておく。
売)=売り手(sotuvchi)、買)=買い手(xaridor)
(赤字は実践的なフレーズ)

売) Keling, aka! Nima olmoqchisiz? Uzummi yoki olmami?
買) Menga uzum kerak edi. Uzumning narxi qancha?
売) Kilosi ikki yarim ming so'mdan.
買) Juda qimmat-ku!
売) Siz oldin yeb ko'ring! Juda shirin, narxi ham shunga yarasha.
買) Baribir juda qimmat menga. Boshqa joyda ham shunaqa uzum ko'rdim, lekin u uzum arzonroq edi.
売) Necha pulga bersam, olasiz?
買) Bir yarim mingga berasizmi?
売) Yo'q, bo'lmaydi! O'zgina qo'shing.
買) Yo-yo, bo'lmaydi. Men boshqa joydan olaman unda.
売) Ux to'xtang aka, ketmang. Mayli, ikki mingga beraman. Bo'ladimi?
買) Bir ming sakkiz yuz so'm.
売) Juda pishiq ekansiz. Mayli.
買) Chiroyli, yaxshi pishganalarini bering.
売) Mana siz xohlaganingizdek. Ikki kilomi?
買) Ha, ikki kilo bering. Mana sizga uch ming olti yuz so'm.
売) Rahmat. Kelib turing yana.
買) Agar arzonroq sotsangiz, yana kelaman va sizdan olaman.

【簡約】
売) いらっしゃい、お兄さん!何をお求めでしょう。ブドウそれともリンゴですか?
買) ブドウがほしいんだ。ブドウの値段はいくらですか?
売) 1キロあたり2500スムです。
買) とても高い!
売) まず食べてみてくださいよ!とても甘く、値段も見合ったものですよ。
買) とにかくとても高いです、私には。ほかの場所でもこんなブドウを見ましたが、そのブドウのほうが安かったです。
売) いくらで売ったら買いますか?
買) 1500スムで売りませんか?
売) いや、それはむりです!もうちょっと高くしてください。
買) いやいや、むりです。ほかの場所で買います、それなら。
売) ああ、待ってくださいお兄さん、行かないで。わかりました、2000スムで売りましょう。いいですか?
買) 1800スムね。
売) とても強い人ですね、あなたは。わかりました。
買) きれいで、よく熟れたものをくださいね。
売) ほら、これがあなたのお望みのものです。2キロですか?
買) はい、2キロください。これはあなたに、3600スム(の支払い)です。
売) ありがとう、またきてくださいね。
買) もっと安く売ってくれるなら、また来てあなたから買いますよ。




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2016年12月12日月曜日

ウズベク語学習への誘い:学習お役立ちツールの紹介

「ウズベキスタンは旧ソ連の国だから、ロシア語だけ使えれば大丈夫だよね?」


ソ連崩壊を経てウズベキスタンが独立国家となって四半世紀。
共和国憲法第4条で「ウズベキスタンの国家語はウズベク語である」と規定するこの国で、はたしてロシア語だけに頼って過ごすことは可能なのだろうか?


近年、冒頭に掲げた質問を受ける機会が多い。
簡潔に答えるならば、ロシア語だけで過ごすことは「まだ」可能である。

しかし、近年のウズベク語・ウズベク文化中心主義的な政策も相まってか、この国では確実に「ロシア語を知らない若者たち」が増え始めている。
タシケントのような都市部でさえウズベク語化は着実に進んでおり、ロシア語は年々その影を潜めつつある。

ウズベキスタンで一般的に発行・販売されている新聞
ウズベク語であってもキリル文字・ラテン文字の2種類が、さらにロシア語で書かれたものもある

まさに言語状況の過渡期にあるこの国では、これまでのように「ロシア語だけできれば何とかなる」生活環境では、もはやないのである。そこで、本記事では、これからウズベキスタンに赴任・留学等を目的に生活する予定のある読者の皆さんを主なターゲットにしつつ、さらにはウズベク語を学びたいと考える奇特な学習者の皆さんをも対象に、ウズベク語学習にあたって便利なツールを紹介していく。

2014年1月に「ウズベク語学習への誘い」という題で記事を書いたが、こちらは情報がやや古くなってしまった。本記事は、そのアップデート版の位置付けにある。


1. オンライン辞書(無料)
「インディアナ大学によるウズベク語 ⇄ 英語辞書」
単語を入力すると、その意味を端的に示してくれる。例文は少ないため、ある程度ウズベク語の基礎単語を知っている学習者向け。ラテン文字表記。なお、動詞の原形は語幹のみで表示される。(bormoq → bor- といった形)

上述のインディアナ大学が運用するウズベク語辞書のトップページ

「O'zbekcha-Yaponcha lug'at:ウズベク語-日本語辞書」
日本語で利用できる唯一のオンライン・ウズベク語辞書。個人の方が趣味で作成したものながら、15,000語、4,000文近くの例文を収録する稀に単語の誤表記があるため、その都度確認を。私も留学期間中は常にお世話になった辞書サイト。文法解説などもある。ラテン文字表記。動詞の原形は語幹のみで表示される。(bormoq → bor といった形)


2. オンライン単語帳(無料)
「UZBEK GLOSSARY」
ジャンル別に分かれている単語帳で、辞書としても使用が可能。良質かつ簡潔な例文が豊富で、初級向けの基礎単語+αはすべてこのページを使って学習ができる。また、ジャンル別にPDFで無料ダウンロードすることも可能。ラテン文字表記。

「LANGUAGE SURVIVAL KIT MODULES」
米国国防総省外国語学校によるジャンル別の単語帳。日常的な語彙+簡単な会話文から、軍事語彙までが紹介されている。短いフレーズが多めだが、音声とPDFの無料ダウンロードが可能。ラテン文字表記。


3. オンライン授業(無料)
「LEARN UZBEK LANGUAGE」
ウズベク人が英語で初級ウズベク語を解説しているページ。動画や音声付きコンテンツが多く、基礎的な単語や表現はこのページを使って学ぶこともできる。


4. PDF教科書
「DLI Uzbek Textbook:Introduction to Republic of Uzbekistan」
無料でダウンロードできる教科書のなかでは最も良質なコンテンツを提供する一冊。英語で書かれているが、基礎文法の多くは分かりやすい例文とともに解説されており、練習問題も豊富。ラテン文字表記。全252ページ。

上記の「DLI Uzbek Textbook」より。
例えば時間の述べ方について学ぶページはこのようになっている。


5. 書籍
「中嶋善輝(2015)『簡明ウズベク語文法』大阪大学出版会」
日本語で書かれたウズベク語文法書。これだけでウズベク語が学習できるわけではなく、何らかの教科書と合わせて使用すると効果的な一冊。基礎+αの文法の解説がされており、例文も豊富。卓上に一冊あると安心。ラテン文字表記。定価5000円以下、全208ページ。

ニュースや一般書を読む程度の語彙に対応したウズベク語辞書。日常生活に必要なウズベク語の語彙はこの一冊で基本的には対応できると考えてよい。ロシア語由来の単語には力点も振ってあり親切。ラテン文字表記。見出し語13,000、定価8,300円程度、全306ページ。


中嶋善輝「感銘ウズベク語文法」(左)と「感銘ウズベク語辞典」(右)
いずれもウズベク語を本格的に学びたい場合は手元にあると安心


吉村大樹&ジュリボイ・エルタザロフ(2009)『ウズベク語文法・会話入門』大阪大学出版会」
基礎文法と語彙、表現を学ぶのに最適。読み物やダイアローグも充実しており、この一冊を極めれば最低限の会話・読解力はつくはず。また、筆者は言語学を専門としており、文法解説が非常に分かりやすい。絶版のため、古本または図書館貸出のみ。ラテン文字表記。全222ページ。


西澤悟&ウルグベク・エションクロフ(2015)『ウズベク語簡易文法便覧 第2版』桜耶書院」
必ずおさえておきたい文法の要点が簡潔にまとめられており、文例も豊富。レベルにかかわらず、教科書と合わせて使用すると効果的。また、文章を書きながら文法に自信がなくなった際に助けになる。一冊あると安心。ラテン文字表記。全102ページ、定価1,000円程度。(AmazonではKindle Unlimitedにも対応)


「伊達秀(2008)『ウズベク語初級―ウズベキスタンへの招待』ブイツーソリューション」
初学者にもとっつきやすい一冊。言語学をかじった学習者には文法解説が多少物足りないかもしれないが、一般学習者には却って簡潔で分かりやすいかもしれない。生きた会話表現も学ぶことができる。絶版のため、古本または図書館貸出のみ。(古本では非常に高値で取引されているようだ)キリル文字表記。全199ページ。


下記で紹介するN.Azimovaのウズベク語初級編(左)と、ウズベク語中級編(右)
いずれも日本だとAmazonを通しての購入が可能だ

N.Azimova(2010) "Uzbek: An Elementary Textbook" Georgetown Univ. Pr.」
基礎語彙・文法の解説が非常に丁寧で親切。英語。オールカラー。練習問題も豊富で、授業用に作られてはいるものの、独習用テキストとしても使用することができるため、はじめの一冊としては非常に有用。ラテン文字表記。全493ページ、定価9,000円程度。

「N.Azimova(2016) "Uzbek: An Intermediate Textbook" Georgetown Univ. Pr.」
上述の本の続編、初等文法・初級単語等の学習を終えた中級者向け。上述のAn Elementary-同様に独習用テキストとしても使用することができる。ただし、前回がラテン文字表記だったのに対し、本書はキリル文字表記を採用している。全398ページ、定価10,000円程度。



なお、居住地を選んでしまうが、首都圏在住であれば「特定非営利活動法人 日本ウズベキスタン協会」が開催するウズベク語講座に参加することも可能である。ウズベキスタン出身の講師が教えており、レベルも複数用意されている。こちらはウズベク人と日常的な話題を話したい学習者や、旅行者に向いており、月に2回ほど開催している。授業料はレベルによって異なるものの、1〜2万円程度。初級コースであれば半年以内で履修が可能だ。

そのほかにも、東京外国語大学で開講されているウズベク語の授業に聴講生として参加することも可能ではある。タイミングが合えば「市民聴講生制度」を利用し、正式に履修することもできる。("潜り"の場合は、授業担当の教員に問い合わせてみるとよい)
また、長期休暇期間にはサマースクールが開講されることもあるため、適宜情報をチェックしておくとよいだろう。



ウズベキスタンでもウズベク語学習の機運が高まっている。
近年それは、非ウズベク人にも及ぶ。写真はwcu.uzより拝借。

あくまで、ここに挙げたのは学習書・ツールの一部に過ぎない。
便利な時代になった現在、インターネットで検索すれば様々な学習ツールを見つけ出すこともできる。また、情報は日毎に増えつつあるため、ここに掲載した情報もいずれ古くなる日がくる。


そのことにご注意いただいたうえで、上記の情報とうまく付き合っていただければ幸いである。


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2016年12月8日木曜日

来年の旅行先はウズベキスタンに決まりだ!

湧いた。
それはもう、祭り前夜のような騒めきとともに、湧いた。
ウズベキスタンに観光目的で行くならば、ビザはいらなくなるのだ。

あらゆる手続きが煩雑なウズベキスタンは、ビザの取得さえも煩雑な手続きを要する。
ビザを申請すべく、ウズ外務省のページを開いた段階から歯車は狂い始める
ここからウズベキスタンは始まり、そして印刷した申請書を大使館に持っていくころにはすでにこの国に片足を突っ込んでしまった状態だ。アーメン。

(2017年1月9日追記)
ウズベキスタン当局の発表によると、上記の観光ビザの免除は2021年1月まで延期とする、とのこと。さすがウズベキスタン。やってくれるね。

筆者の留学ビザ。留学や業務、30日以上の観光の目的ではビザが必要だ。
けれども、一般的な観光を目的とした渡航では、ビザはもう手に入らない・・

「第一の洗礼」との悪名も名高いウズベキスタン・ビザの取得。
なんと、2017年4月から「30日以内の観光目的に限りビザは不要」となる。
また、今回の決定が適応されたのは日本だけではない。

【30日以内の観光目的の場合、ビザが免除される国籍】
オーストラリア、オーストリア、イギリス、ドイツ、デンマーク、スペイン、イタリア、カナダ、ルクセンブルク、オランダ、韓国、シンガポール、フィンランド、スイス、日本。

【30日以内の観光目的で、55歳以上の者に限ってビザが免除される国籍】
ベルギー、インドネシア、中国(団体に限る)、マレーシア、アメリカ、フランス、ベトナム、イスラエル、ポーランド、ハンガリー、ポルトガル、チェコ。


なお、ビザの代わりに入国料金として50ドルを支払う必要があるという。
具体的な支払い方法に関する情報はまだ発表されておらず、今後の情報が待たれる。

残念ながら、入国の際に記入の必要がある「税関申告書」に関する言及はなく、ビザ撤廃後も必要と思われる。(「税関申告書の記入例」はこちらから
さらに、悪名高いレギストラーツィヤ(住民登録)も継続と思われる。(ただし、中規模以上の宿泊施設であれば、宿泊の手続きと同時に手続きされる)

筆者の留学時代のレギストラーツィヤ
一般観光客であれば、薄っぺらい小さな紙切れがレギストラーツィヤとなる。
侮ることなかれ、その小さな紙切れは絶対になくしてはいけない。

ビザなしで渡航できるようになるだけで旅行のハードルが一気に低くなるが、なかでもウズベキスタンを旅行先としてオススメできる理由はいくつでも挙げることができる。


1. 成田から直行便がある!地方からは仁川経由でひとっ飛び!
知る人ぞ知る?なんと、成田空港からタシケントへは直行便が就航している。
ウズベキスタン国営航空に乗れば、成田まで8〜9時間程度でタシケントに着いてしまう。(ウズベキスタン航空については「ウズベキスタン航空のドリンクから機内食まで」を参照)
ウズベキスタン国営空港のスタッフたち。公式ページより。
また、ソウル・仁川空港からは毎日のようにタシケント便が飛んでおり、日本の地方空港からソウル、ソウルからタシケントに行くこともできる。つまり、ウズベキスタンは飛行機を利用すれば、日本各地からも非常にアクセスが容易な国なのである。


2. 人種のるつぼでは、現地人への完全擬態が可能
ウズベキスタンは100を超える民族が共存する多民族国家である。
ウズベク人タジク人は、日本人がイメージするエキゾチックなアジア人顔。
ロシア人ウクライナ人のあいだには、金髪碧眼といった風貌の人も珍しくない。
また、スターリン時代に強制移住でこの地にやってきた朝鮮人は、日本でも見たことのあるような顔が多い。
そのほか、これまた日本人に似た顔をしているカザフ人カラカルパク人・・・
日本人旅行者は基本的に服装で日本人だとわかってしまうが、現地バザールなどで服を購入して街を歩けば「完全擬態」が可能となる。
ウズベキスタンの人々(写真の中の人たちはいずれもウズベク人と思われる)
avantour.comより


3. 美しいイスラーム建築の数々
サマルカンドブハラといった、歴史的な聖都を抱えるウズベキスタン。
世界史の教科書にも登場する美しいモスクやマドラサは、実際に自分の目で見るとハッと息を飲むような美しさ。
一度、この「美しさに目を持っていかれる」感覚を味わっていただきたい。
(視力の悪い方には、渡航前に新しいレンズにすることを勧めたい)
レギスタン広場のなかにある、ティラカリ・マドラサの天井
なお、首都タシケントからはサマルカンドとブハラにスペイン製の高速鉄道が走る。また、飛行機の便数も多いため、タシケントから各都市への移動は簡単だ。


4. ウズベキスタンの人々はとってもフレンドリー
「アンニョンハセヨ!」「コンニチワ!」「ニーハオ!」
いかにも観光客という服装で街を歩いていると、街の人々からは上に挙げた3言語で挨拶をされることだろう。ウズベキスタンでは韓国製品や韓国ドラマが大人気。そのため、東アジアからの観光客を見ると、まず「アンニョンハセヨ」と挨拶されることが多い。
しかし、日本語学習者数がとても多いこの国では「コンニチワ」と声をかけられることも少なくはない。最近は日本のドラマも放送しているそうなので、日本語で挨拶されることも増えるかも?
結婚式の合図は、このような賑やかな人たち
長いラッパを持った人たちがいれば、それは結婚式が行われている証拠だ
また、遠方から来た客は丁重にもてなすのがウズベク流のおもてなし。
そのお客が遠くから来たほど、大きな幸せを運んできてくれると信じられている。
暖かい時期になるとあちこちで結婚式(派手)が行われるが、たまたま通りかかっただけなのに誘われ、踊らされ、たくさんの食事を提供され・・・なんて話は珍しくはない。
まったく知らない人相手でもすぐに友だちになってしまうのが、ウズベキスタンの人々である。


5. ダイエットならぬ、デブエット?ウズベク料理は人類の叡智だ!
プロフ、シャシリク、ラグマン、サモサ・・・・・
すべてが美味しく、すべてが腹の脂肪のもととなる。しかし、これが病みつきの味で、伸びる手を止めることはもはや不可能。(そしてその手を止める者もいない)
乾燥した気候のため、ほとんどのウズベク料理には脂が多用されている。
ウズベキスタンのソウルフードである「プロフ」は、「油で煮込んだご飯に羊肉やにんにくを盛る」という最高の組み合わせ。
ソウルフードである「プロフ」。「オシュ」とも。
ただし、あまりの油の摂取量に、帰国する頃にはお腹を壊す観光客がほとんど。
滞在中は体重は増えるものの、帰国する頃にはやつれながら減るのが一般的だ。(なので、滞在中は体重を気にせずガンガン食べるべき)


6. 安くて可愛い・美味しいお土産との出会い
ウズベキスタンではお土産に困らない。
バザールや土産物屋に行くと、安くてかわいい茶器や人形が山積みにされている。
交渉次第ではあるが、まとめ買いをするとお得な価格で購入できることが多い。
また、世界的にも有名なドライフルーツはとても美味しいのに、キロ単位で買っても数百円と超破格。干しぶどうや干しあんずがイチオシである。
このようなおじいさんの置物が大人気


7. 古き良きソ連時代の名残を楽しむことができる(上級者向け)
上級者向けなので、きっと説明は必要ない。
少なくともタシケントに行けばわかる。
ソ連体験をしたい人には、タシケントの中央郵便局をイチオシスポットとして勧めたい。薄暗い石造りの建物、ある窓口に並んで自分の番が来たら「あんたはあっちの窓口!」と怒鳴られ、言われた窓口に並んで自分の番が来たら「ここじゃない」と言われ・・・・
首都のタシケントでさえ、このようなソヴィエトスポットが数多く残る。
ソ連時代に建てられた集合住宅の外壁は模様がユニーク
タシケントの穴場スポットについては「こっそり教える!タシケントの穴場スポット」を参照いただきたい。
そのほか、この国にはソ連的な要素としてプロパガンダ看板も多い。今やロシアでは見ることも少なくなってしまったプロパガンダ看板が、この国ではガンガン作られている。


繰り返しになるが、ウズベキスタンで30日以内の観光ビザが撤廃されるのは2017年4月1日から
3月までは、従来通りビザの申請が必要である。ビザを集めている方は、今がチャンス!
何はともあれ、ウズベキスタンは(旅行で行く分には)とてもいい場所です。




ウズベキスタンにはまだまだ無料のwi-fiは少ない。
ウズベキスタン旅行中に旅行情報がほしくなってしまいそうなら、日本出発前にポケットwi-fiをレンタルしていくのがオススメである。筆者のオススメはウズベキスタンでも利用できる「イモトのwi-fi」!


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