2016年12月12日月曜日

ウズベク語学習への誘い:学習お役立ちツールの紹介

「ウズベキスタンは旧ソ連の国だから、ロシア語だけ使えれば大丈夫だよね?」


ソ連崩壊を経てウズベキスタンが独立国家となって四半世紀。
共和国憲法第4条で「ウズベキスタンの国家語はウズベク語である」と規定するこの国で、はたしてロシア語だけに頼って過ごすことは可能なのだろうか?


近年、冒頭に掲げた質問を受ける機会が多い。
簡潔に答えるならば、ロシア語だけで過ごすことは「まだ」可能である。

しかし、近年のウズベク語・ウズベク文化中心主義的な政策も相まってか、この国では確実に「ロシア語を知らない若者たち」が増え始めている。
タシケントのような都市部でさえウズベク語化は着実に進んでおり、ロシア語は年々その影を潜めつつある。

ウズベキスタンで一般的に発行・販売されている新聞
ウズベク語であってもキリル文字・ラテン文字の2種類が、さらにロシア語で書かれたものもある

まさに言語状況の過渡期にあるこの国では、これまでのように「ロシア語だけできれば何とかなる」生活環境では、もはやないのである。そこで、本記事では、これからウズベキスタンに赴任・留学等を目的に生活する予定のある読者の皆さんを主なターゲットにしつつ、さらにはウズベク語を学びたいと考える奇特な学習者の皆さんをも対象に、ウズベク語学習にあたって便利なツールを紹介していく。

2014年1月に「ウズベク語学習への誘い」という題で記事を書いたが、こちらは情報がやや古くなってしまった。本記事は、そのアップデート版の位置付けにある。


1. オンライン辞書(無料)
「インディアナ大学によるウズベク語 ⇄ 英語辞書」
単語を入力すると、その意味を端的に示してくれる。例文は少ないため、ある程度ウズベク語の基礎単語を知っている学習者向け。ラテン文字表記。なお、動詞の原形は語幹のみで表示される。(bormoq → bor- といった形)

上述のインディアナ大学が運用するウズベク語辞書のトップページ

「O'zbekcha-Yaponcha lug'at:ウズベク語-日本語辞書」
日本語で利用できる唯一のオンライン・ウズベク語辞書。個人の方が趣味で作成したものながら、15,000語、4,000文近くの例文を収録する稀に単語の誤表記があるため、その都度確認を。私も留学期間中は常にお世話になった辞書サイト。文法解説などもある。ラテン文字表記。動詞の原形は語幹のみで表示される。(bormoq → bor といった形)


2. オンライン単語帳(無料)
「UZBEK GLOSSARY」
ジャンル別に分かれている単語帳で、辞書としても使用が可能。良質かつ簡潔な例文が豊富で、初級向けの基礎単語+αはすべてこのページを使って学習ができる。また、ジャンル別にPDFで無料ダウンロードすることも可能。ラテン文字表記。

「LANGUAGE SURVIVAL KIT MODULES」
米国国防総省外国語学校によるジャンル別の単語帳。日常的な語彙+簡単な会話文から、軍事語彙までが紹介されている。短いフレーズが多めだが、音声とPDFの無料ダウンロードが可能。ラテン文字表記。


3. オンライン授業(無料)
「LEARN UZBEK LANGUAGE」
ウズベク人が英語で初級ウズベク語を解説しているページ。動画や音声付きコンテンツが多く、基礎的な単語や表現はこのページを使って学ぶこともできる。


4. PDF教科書
「DLI Uzbek Textbook:Introduction to Republic of Uzbekistan」
無料でダウンロードできる教科書のなかでは最も良質なコンテンツを提供する一冊。英語で書かれているが、基礎文法の多くは分かりやすい例文とともに解説されており、練習問題も豊富。ラテン文字表記。全252ページ。

上記の「DLI Uzbek Textbook」より。
例えば時間の述べ方について学ぶページはこのようになっている。


5. 書籍
「中嶋善輝(2015)『簡明ウズベク語文法』大阪大学出版会」
日本語で書かれたウズベク語文法書。これだけでウズベク語が学習できるわけではなく、何らかの教科書と合わせて使用すると効果的な一冊。基礎+αの文法の解説がされており、例文も豊富。卓上に一冊あると安心。ラテン文字表記。定価5000円以下、全208ページ。

ニュースや一般書を読む程度の語彙に対応したウズベク語辞書。日常生活に必要なウズベク語の語彙はこの一冊で基本的には対応できると考えてよい。ロシア語由来の単語には力点も振ってあり親切。ラテン文字表記。見出し語13,000、定価8,300円程度、全306ページ。


中嶋善輝「感銘ウズベク語文法」(左)と「感銘ウズベク語辞典」(右)
いずれもウズベク語を本格的に学びたい場合は手元にあると安心


吉村大樹&ジュリボイ・エルタザロフ(2009)『ウズベク語文法・会話入門』大阪大学出版会」
基礎文法と語彙、表現を学ぶのに最適。読み物やダイアローグも充実しており、この一冊を極めれば最低限の会話・読解力はつくはず。また、筆者は言語学を専門としており、文法解説が非常に分かりやすい。絶版のため、古本または図書館貸出のみ。ラテン文字表記。全222ページ。


西澤悟&ウルグベク・エションクロフ(2015)『ウズベク語簡易文法便覧 第2版』桜耶書院」
必ずおさえておきたい文法の要点が簡潔にまとめられており、文例も豊富。レベルにかかわらず、教科書と合わせて使用すると効果的。また、文章を書きながら文法に自信がなくなった際に助けになる。一冊あると安心。ラテン文字表記。全102ページ、定価1,000円程度。(AmazonではKindle Unlimitedにも対応)


「伊達秀(2008)『ウズベク語初級―ウズベキスタンへの招待』ブイツーソリューション」
初学者にもとっつきやすい一冊。言語学をかじった学習者には文法解説が多少物足りないかもしれないが、一般学習者には却って簡潔で分かりやすいかもしれない。生きた会話表現も学ぶことができる。絶版のため、古本または図書館貸出のみ。(古本では非常に高値で取引されているようだ)キリル文字表記。全199ページ。


下記で紹介するN.Azimovaのウズベク語初級編(左)と、ウズベク語中級編(右)
いずれも日本だとAmazonを通しての購入が可能だ

N.Azimova(2010) "Uzbek: An Elementary Textbook" Georgetown Univ. Pr.」
基礎語彙・文法の解説が非常に丁寧で親切。英語。オールカラー。練習問題も豊富で、授業用に作られてはいるものの、独習用テキストとしても使用することができるため、はじめの一冊としては非常に有用。ラテン文字表記。全493ページ、定価9,000円程度。

「N.Azimova(2016) "Uzbek: An Intermediate Textbook" Georgetown Univ. Pr.」
上述の本の続編、初等文法・初級単語等の学習を終えた中級者向け。上述のAn Elementary-同様に独習用テキストとしても使用することができる。ただし、前回がラテン文字表記だったのに対し、本書はキリル文字表記を採用している。全398ページ、定価10,000円程度。



なお、居住地を選んでしまうが、首都圏在住であれば「特定非営利活動法人 日本ウズベキスタン協会」が開催するウズベク語講座に参加することも可能である。ウズベキスタン出身の講師が教えており、レベルも複数用意されている。こちらはウズベク人と日常的な話題を話したい学習者や、旅行者に向いており、月に2回ほど開催している。授業料はレベルによって異なるものの、1〜2万円程度。初級コースであれば半年以内で履修が可能だ。

そのほかにも、東京外国語大学で開講されているウズベク語の授業に聴講生として参加することも可能ではある。タイミングが合えば「市民聴講生制度」を利用し、正式に履修することもできる。("潜り"の場合は、授業担当の教員に問い合わせてみるとよい)
また、長期休暇期間にはサマースクールが開講されることもあるため、適宜情報をチェックしておくとよいだろう。



ウズベキスタンでもウズベク語学習の機運が高まっている。
近年それは、非ウズベク人にも及ぶ。写真はwcu.uzより拝借。

あくまで、ここに挙げたのは学習書・ツールの一部に過ぎない。
便利な時代になった現在、インターネットで検索すれば様々な学習ツールを見つけ出すこともできる。また、情報は日毎に増えつつあるため、ここに掲載した情報もいずれ古くなる日がくる。


そのことにご注意いただいたうえで、上記の情報とうまく付き合っていただければ幸いである。


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